情死

Would you cry if I died Would you remember my face?

2022年6月5日

頭が痛い、首が痛い。痛い痛い毎日だ。6月は雨の日が多いだろうし、頭痛の頻度が高そうで今から気が滅入る。毎日ロキソニンを飲んでいて、薬が切れるとまた痛み始める。依存するのが嫌なので、今は服用を止めている。必要なときに飲もう。首には湿布、額には冷えピタ、どうにかして痛みを和らげようと必死。

 

今週末は素敵だった。

行きつけのシーシャ屋さんでスタッフの誕生日イベントが行われていた。お店に行くつもりはなかったが、恋人が「ケーキ買って渡そうか」と言った。それがすごく優しい声色で、少女漫画だったら見開きで爽やかな風が通るようなきらきらのトーンが貼られている瞬間だった。ときめいた。この人の自然なお人よしはなかなかに”誑し”だと思う。本人にその意図がなくとも、私は”誑し”に騙されて好きになってしまったのを久しぶりに思い出した。

土曜日は東京蚤の市に行った。すごく暑い上に入場まで長蛇の列で、蚤の市の商品なんか一切見えなくて、人間の頭しか視界に入らないのではないかとひやひやしたが、中に入ってしまえば広い公園内に人が散らばっており、ゆっくり商品を見られて充実したひと時を過ごすことが出来た。途中、二人で空きっ腹にビールを流し込んだ。彼も私もアルコールに弱いからあっという間に酔っ払いが完成。恋人はビールを買う人々の列の前で平気で私にキスをしようとした。私は照れてしまい、避けてしまったが、キスすればよかった。蚤の市に来るようなおしゃれボーイ&ガールたちの前でへっちゃらな顔してキスすればよかった。彼らの蚤の市の思い出に私たちを刻ませればよかった。「ちゅーしてるカップルいたねw」とか話題にされちゃったりしてさ。ちょっと後悔。
誕生日に指輪が欲しいと私が言っていて、どこで買う?どんなのにする?と前々から話していたのだけど、なんか、「あの恋人が指輪を私のために買う気がある」という事実だけでかなり満足してしまい、ハイブラの指輪をお揃いで欲しいと考えていた(そう、みんなと同じように)はずなのに、もっと私たちらしい方がいいなと考え直して「蚤の市で良いのがあったら買ってほしい」とお願いした。そして蚤の市でうろうろと行く先々でアクセサリーを見て回る。そもそも私は指輪をする習慣がなく、私自身どんな指輪が良いのか全く見当がついていなかった苦笑。気になる指輪を指にはめてみると、驚くほどに似合わない。大人っぽい細いリングや、ちょっとパンク感強い目のデザイン性高いリング。そういうのが趣味なのに指には一切合わない。恋人も「ちょっと違うね」と言って苦笑い。指が赤ちゃん過ぎるの!小さい・丸い・太いの三重苦マイハンド。かわいいかわいいとみんなに言われて調子に乗っていましたが、指輪にはだめ。それでも根気よく探し、緑地にすずらんが彫られた飾りのついたvintageリングがぴったりと私に合った。色違いの黒地のものは違和感があったのに、色を変えただけですとんと腑に落ちる、は表現が違うけど、でもそんな感覚になり、私も恋人も「これだね」となった。約束通り、恋人は私に指輪をプレゼントしてくれてすごくうれしかった。初めての指輪。蚤の市のvintageリングは、なんだか私たちのよくわからない関係性も表してて良い気とおもう。すずらんは幸せの象徴。ありがとう。これを70年後もつけて死ぬぞ!

 

時々、世界には私と恋人しかいない錯覚に陥る。明日になれば会社でいろんな人と会うし、SNSでは友達とすぐに連絡が取れる状態にあるのに、周りのこと全部忘れて恋人と私と、その他は全部私たちのために仕立てられたセットのように流れていく。そう、お出かけの最中、私たちが駅のホームに行くのと同時にホームに電車が入ってくるから、恋人が「ほら、僕たちのために電車が待っててくれてるんだ」と言っていた。

そんな感覚。