情死

Would you cry if I died Would you remember my face?

2022年5月6日

GWを楽しんでいますか?私はたぶん楽しんだと言えると思います。なぜなら恋人と京都へ旅行したからです。行きたいお店にも行けたし、友だちにも会えました。

 

旅行をすると夢を見てしまいます。その場所で暮らす私と恋人の小さな暮らしを妄想して、理想の余生を頭の中で楽しみます。または、若いころの私と恋人のことを考えます。例えば、京都では京都の大学生である私たちを想像して楽しみました。同じ大学で同じ講義を隣に座って受けるんです。私はすぐに眠ってしまうから、恋人が代わりにノートを取ってくれます。男性のわりにはとても丸っこくてかわいい字で、几帳面にメモを取ってくれるのですが、彼は丁寧過ぎて講義の要を記録し損なって、試験の直前になって「これってどういう意味?」と二人で騒ぐのです。講義が無い日は昼からシーシャ屋さんに行って、読書をします。店員さんにも顔を知られて、どうしたら美味しいシーシャが作れるかお話をしたりします。彼は相変わらずシェアハウスに住んでいて、そこの住人と麻雀ばっかりしているから私は不貞腐れて、同じ学科の男の子と鴨川で二人でデートを楽しんだりしています。でもその男の子の家におちおち付いて行ったり、ましてはセックスもしません。そういう一線は越えられないのが、私のよいところです。恋人は京都の古書店にアルバイトで入って、大学を卒業してからもそこで働いています。私は京都の小さい出版社に運よく就職できて、日夜せっせと働きます。家は2DKの畳のおうちで、大学卒業してから同棲を始めました。二人の夢は二人で古書店を開くことです。でも夢なので、古書店がシーシャ屋さんになったり、出版社になったり、イベントスペースになったりします。人が集まる場を作りたいよねという話で盛り上がり、でも結局私と恋人だけで人が足りてるんだよねって話で終わります。いつもこれを繰り返しています。たまにライブや美術展に行きたくて東京に遊びに行きます。高円寺に行くと、「ここに住んでみたいね」「でも1年住めば満足するかな」「案外、気に入って京都に戻ってこないかも」なんて話します。そんな妄想です。

実際に私が京都の学生だったら、多分馴染めなかっただろうと思います。東京でも上手く大学生をできなかったから、京都だったらなおさら、周りの人の良いところばかり目について自分がダメ人間であることにガッカリして苦しんでだめになりそう。なんか、京都の若い人たちがみんなまぶしく見えたのでした。