情死

Would you cry if I died Would you remember my face?

2021年8月10日

日付を書いて思い出した。今日はD.Gray-manのキャラクター「ラビ」の誕生日だ。Dグレ内で一番好きなキャラ、本編ではなかなか出番がないラビ、知的でセクシーなラビ。彼の誕生日を忘れていたなんてすっかりダメな大人になってしまった。

 

今日は何もやる気がしなかったので何もしなかった。毎日銭湯くらい大きく熱いお風呂に入って、のんびりと過ごしたい。家の浴槽は膝を延ばすと、足が飛び出してしまう。住んでいる街に銭湯はあるが、少し歩くので気軽には行けず、行きたいなあ行きたいなあと悶々としている。また、数駅先にはサウナや岩盤浴まで楽しめる温泉施設があるが、充実している分入場料金が高い。貧乏OLには気軽には行けず、行ったときの思い出を脳内で楽しんでいる。(私はひとより妄想の力が強いのだ!)
外を歩けば、美味しそうな定食屋や居酒屋が立ち並び、空腹を自覚させる。足が疲れたら喫茶店や水煙草屋にふらりと立ち寄りたくなる。誘惑は恐ろしい。お財布はいつになく寒波に襲われている。

石川淳靴みがきの一日」という短い小説を読んだ。ぼろい三階建ての屋根裏に住む靴磨きの男の話だが、変な話だった。屋根裏にいるときの男と、道路に出て靴を磨くときの男を、この当人は別人だと思っている。靴磨きのくせして、靴を磨かせる奴のことを「人」と呼び、靴を磨けば、逆に靴を汚している有様だ。また、この男はどうやら女の家に不法侵入した挙句、ハイヒールを「はがきの一枚なり花の一枝なりを記念にもつてかへるのが善良な風俗ではないか」と片足盗んできたらしい。しかし、この後の描写が悪夢的に良い。突然目の前の台に盗んだハイヒールが載せられて、男はそれを磨く。しかし磨けども泥が靴に染み込み、それを払うためにまた磨き、どんどん靴がおんぼろになっていく……。その後、男は道端で倒れてしまい、警官にうちまで運んでもらう。その後、建物が火事となる。屋根裏で寝ている男は「おれは足もとに火がつくまで目をさましてやるものか」と言って、眠り、一方で屋根裏の外にいて屋根が燃え落ちるのを見ている靴磨きの男は「さて、おれはあしたの番はどこに寝るか」などと言って、物語が終わる。変な話だ。

 

最近の週末は恋人と一緒に映画を観て、帰りに居酒屋でビールを飲みながら映画について語って過ごす。恋人について、私はあまり感情の機微を感じ取れない人だと思っていたのだが、こうして話してみると、彼のなりの視点で人間を観察し、理解していることが分かった。女性に対してはおそらく減点式の評価の仕方をしており、見た目などの話ではなく、ある言葉および行動を示すとすぐにその人間に対して心を閉ざす傾向にある。今後、恋人を口説く予定の女性がいたら参考にしてください。こんな勝手なことを本人に了承を得ずに書いていいのだろうか。[@恋人ダメだったら教えてください。] しかし、恋愛の文脈における女性の微妙な視線や態度は全然理解できてない。お笑い芸人がネタの笑いどころを説明する恥ずかしさを持って、映画内の恋愛の動きを説明してあげた。面白い顔して聞いてくれてよかった。だから君はだめなんだ。(私は交際前、彼にだめだだめだと言って嫌われる寸前までいった)映画の感想を書き出すと長くなるので割愛。
兎にも角にも、映画を観て、酒を飲んで感想を語らうのはとても楽しく、恋人以外の親しい人ともぜひやりたいと思った。それも人数が多い方が楽しいだろう。こんな遊びができるのはいつになるのだろうか。気が遠くなる。オリンピックが終わったらしいが、私には本当に遠い国の噂話のような感覚で、分断を感じるばかりだ。昨年からずっと不織布マスクを使用している。ウレタンマスクなどでは洗うのが面倒くさいというずぼらな理由であるが、結局のところ、こいつのおかげで現在のところ感染を免れているのではないかと思う。日本のことを考えるとうんざりしてくる。

 

どこに辿り着くのかよく分からない話をしてしまった。そう、何もしたくないのである。私は何もしたくないため、やるべきことが頭に何度も浮かんできており、やろうと思うところまでは来るのだが、またソファに体を休めてスマートフォンでゲームやらツイッターやらをしてしまう。なんてことだ。若い時間を無駄に消費していると思う。ただ何もしないのではなく、無駄に、無駄に何もしていない。ただ何もしないよりもずっと悪い。無駄に何もしていない。どうにかしたい。と思う。いつも。