情死

Would you cry if I died Would you remember my face?

2021年7月4日

最近は映画をよく観ている。週末になると映画館へ行き、映画を2本観る。


6月21日に緊急事態宣言が終わり、東京はまん延防止等重点措置(まん防)に切り替わった。そのため、閉館していた映画館が開き、晴れて映画を自由に見に行けるようになった。観たかった映画のプログラムが延期されたり、中止されたりと振り回された。

最近はまだ新型コロナ感染者が増加傾向にあるため、いつ緊急事態宣言が再度出されてもおかしくない。オリンピックがあるから夏までは問題ないと思うが、その後はまた映画館やそのほかいろんな施設が閉じるかもしれない。行けるときに行かないと、機会を逃す。

区からワクチン接種のクーポン券が届いた。予約すれば今月には打ちに行ける。ワクチンを打つことでコロナ感染後の重症化を防ぐ効果があるようなので私はぜひ打ちたいと思っている。

ワクチンに積極的でない人もいる。コロナワクチンだから打たないのか、すべてのワクチン接種に消極的であるのか、それは人それぞれだと思うが、ワクチンを保存している冷蔵庫のコンセントプラグを抜いたなどというニュースを見ると、苦い顔をしてしまう。正義の味方のつもりなのか、ワクチン接種によって私たちは怪獣にでも変貌してしまうのか。数年後、ワクチンのせいで地球上の人間が怪物になったらそれはそれで面白いかもしれない。

 

6月にどうしても仕事がやりたくなくてサボった日があった。サボって、一番好きなワンピースを着て、一番好きなサンダルを履いて映画館へ行った。平日の映画館はがらんとしており、60代以降であろう老夫婦をよく見かけた。ちょうどよいタイミングで上映されていた映画を適当に選んでチケットを購入した。

『ローズメイカー 奇跡のバラ』を観た。主演はカトリーヌ・フロ。バラ園を経営するエヴだが、財政困難で苦しい状況にいた。大手企業からエヴのバラ園を買収する話を度々受けるのだが、亡くなった父から継いだバラ園を簡単には手放せない。助手のヴェラがエヴに相談せず職業訓練所から3人の男女を雇う。全員素人でバラをダメにしてしまうなどのアクシデントに見舞われながらも、コンクールに出すための新種のバラを作るため奮闘する。

エヴはバラのことだけを考える。社長にありがちな社員を振り回すところがあり、無茶を平気でやる。バラが咲くまでの期間、必要な資金を調達するためにヴェラの貯金にまで手を出すのは、ヴェラが不憫で笑ってしまった。
また、大手企業から珍しい種のバラを盗もうと計画し、達成させる様はいちいち面白くて映画を観ながらクスクスと笑って見られた。まさかバラを育てる映画で盗撮用の眼鏡が登場するとは思わなかった。
コメディーもあるが、それだけではない。エヴと雇用された3人、特にフレッドという若い男性とのまるで家族のように互いを思いやる暖かな関係が育まれていく姿に胸を動かされる。初めこそは足手まといとさえ感じていた3人であったが、1年を通し、全員で土をいじってバラを育てることで新種の美しく健康なバラを育てることができた。墓場で白いバラを売るシーンはやはりちょっと滑稽で、笑ってしまうのだが。

会社をサボってみるにはピッタリの映画で、<はみ出した者たち>が気持ちを込めて一つの目標に打ち込むのは観ていて気持ちが良かった。誰にでも自分の居場所があり、活躍できる場があると思えた。映画(フィクション)だから分かりやすく、成功ストーリーとなっているが、それは映画だから許されるべきであるし、そうであってほしいという願いが込められていると思う。良い映画でした。

 

あと、最近観た映画だと『ピアノ・レッスン』『クラッシュ』が印象に残っている。いや、他にもたくさん良い映画を観て自分の中に残っている。書き始めたらきりがないので、やめておこう。

しかし、上記に挙げた2つはディスクを手元に置いておきたいくらいに気に入っている。いつか購入しよう。いや、ボーナスが入ったり今すぐに買うべきか。

 

見逃した映画でずっと気になっている作品がある。『パーム・スプリングス』を見逃してしまった。まだ上映が先だろうと勝手に勘違いして、いつやるのかなあと調べたころには終わっていた。フォロワーさんや、映画批評家の方が褒めていてますます気になっている。どこかで観られる機会が来るといいのだが。