情死

Would you cry if I died Would you remember my face?

2022年5月15日

今日は日曜日ですね、おはようございます。でも私はこの後、お仕事に行かねばなりません。6連勤のスタートです。もしかしたら次の土曜日も仕事になりそうで、そうしたら7連勤になりますね。今週はずっと外出仕事が続くので、私の体が持つのか不安です!

 

最近は新しいタイプの仕事が始まっており、それに対してどう立ち回るのかなど、手探り状態が続いています。素人だしな~、本当にやりたい仕事じゃないしな~、みたいな言い訳が常にある(ま、事実なんだけど)まま仕事をしていることが多いです。でも、考え方を変えていきたいなと思い始めました。どんな仕事が自分の未来にとって意味がある/役に立つのかは、自分では判断できない部分が多大にあり、何はともあれ難しいことは考えずに楽しんでやることをマインドセットしていきたいです。楽しんでやれば、自分もハッピーになって良い成果もついてくるはず!毎日わくわくして仕事をやりたいです。

 

みなさんは『鳥籠荘の今日も眠たい住人たち』という小説を知ってますか?作者は壁井ユカコさん。だいぶ前に電撃文庫から発売されていたライトノベルです。私が中学生の頃に学校の図書館で偶然見つけて、表紙の柔らかなイラストに惹かれて読み始めたら内容もすごく良くて新しい巻が出るたびに手に取っていました。”鳥籠荘”と呼ばれているアパートに暮らす住人たちが登場する楽しいけれど切ない物語。メインとなる少女、衛藤キズナは17歳の不良少女で、親を亡くして鳥籠荘に一人暮らしを始める。援交まがいなことして仲間とつるんでいたところ、なんやかんやあり(笑)、鳥籠荘の同じ住民である芸術家の浅井有生のヌードモデルのバイトをやるようになります。そこで繰り広げられる恋とか友情とか、ほろ苦いエピソードが繊細で綺麗なのです!ラノベなので読み口は軽めですが、内容は全く軽くない、しっかり人間と人生について書かれています。

先週に古本屋&DVDレンタルショップに行ったところ、このラノベが全巻セットで売っていて、それまで記憶のはるか底に埋まっていて全く思い出す機会なんてなかったのに、表紙を観た瞬間に中学生の頃に味わった切ない気持ちが蘇ってきて、ぶわっ!と心が沸き上がり、その勢いのまま購入してしまいました。だって、今ではこの本は新刊では手に入らなかったはずです。奇跡的出会いなのです!!

出社する電車の中でちょっとずつ読み進めているのですが、私の原点は実はここにあるのかもしれない、、、と大げさなことを思わないではいられないくらい、自分の好きなものが詰め込まれており、びっくりしました。
まず、舞台が「アパート」で、その住人のエピソードが章ごとに物語られる構造。私、この舞台が「町」とか「喫茶店」とか定まっていて、そこに出入りする人々の物語っていう構造がめちゃくちゃ好きなんですよ。
次に、登場人物たちが「変」!。衛藤キズナは上で書いた通り、普通には生きていない子で、そのような具合で、とにかく鳥籠荘には普通ではない、言い換えれば生きづらい人たちが集まっているんです。年中、猫の着ぐるみを着ているパパや、女装してる男とか、ずっとアパートで芝居して叫んでる女とか、いろんなキャラクターが出てきます。作者の上手いところで、個性を出すための単純なキャラ付けではなくて、ちゃんとそのキャラクターがどうして変なのか、描いているのが面白さの秘訣な気がします。私は健康的に「普通」ルートを歩んでいる人たちより、不器用に生きてる人が現実でも物語でも好きなので、鳥籠荘は良かったんだと思います。
最後に、「関係性」。これは説明するのが面倒臭いので割愛しますが、恋愛漫画みたいな単純な一対一の恋愛構造よりも、恋愛だか、友情だか、それ以外の感情だかよくわからない、しかもその関係が複数人に跨っている的な、単語で表せない人間の関係性が大好物で、鳥籠荘にはそれが描かれているんです!

3つ挙げてみました。鳥籠荘が先だったのか、私の趣味嗜好が先だったのか、判断は難しいですが、少なからず今の自分の好みに大きな影響を与えたんだなあというのは実感できます。こう考えると、この小説を学校の図書館に入れた人は良い仕事をしたわけです。