情死

Would you cry if I died Would you remember my face?

2019年4月24日

 会社に行くために私は毎朝大きな川を二つ渡る。晴れた日には水面がきらきらと輝いて、通勤電車に詰め込まれたサラリーマンたちの背中を押す。まあ、しかし電車内でその輝きを知っているのは私だけで、みんなスマートフォンの画面を眺めているのだ。

 帰り道にはスカイツリーが疲れを癒してくれる。どこまで行っても付いてくる大きな電波塔の中にはこちらの電車よりもずっと大量の人間がうようよしているはずだ。そんなにもお腹の中に人間を抱えたら、いつか耐えられなくなって吐き出してしまうかもしれない。くだらない私の心配を笑うような紫色のライティングは彼の余裕の証、美しく東京の空に生えている。

 左手の薬指を飾る指輪をポケットに隠して、彼は私と一緒に夜に紛れようとする。私は怒って「会社の同僚です」と訴えた。それを知ってBarで私に話しかけてきた白髪の男性が無理やり掴んだ私の手首は、アフリカオオコノハズクのように細くなる。バーテンダーはグラスに猫を注いだ。おかげで体内のねずみは一斉に逃げ去っていった。

 眠りながら試験問題を解くと、答え合わせのときに見たことのない問題が出現する。一度で二度おいしい。今日はちょっと嫌だったね。男女が仲良く話すとカップル認定してくる安直な中学生をベースのネック部分で真っ二つに割ってやったのさ。浅草のやきそばは味が濃かった。Mサイズを注文したら、Lサイズが出てきた。Sサイズの私の体はその量のブレンドコーヒーを受け入れるにはあまりにも小さかった。

 ふらふらとする、ふらふらとする、電車に揺られて。スカイツリーを裏切って、パンダに背中を向けて、野菜たっぷりラーメンを食べに行こう。その間の秘密の時間を楽しみにしていたんでしょう。おじさんみたいと言われて喜ぶのをやめてください。毎日涙が出るほど笑っているけど、いつまでも続くものじゃないよね。私たち遊びだから。

 明後日は給料日なので、明後日は飲み会なので、明後日は4月最終営業日なので、私はきっとお酒を飲むでしょう。日曜日には資格の試験があるから適当なところで帰るでしょう。1か月でどこまで来れたでしょう。ABCを数えて零して滲ませている。

 

ねむい!