情死

Would you cry if I died Would you remember my face?

2018年7月3日

駅のホームで横になる。地元の駅はこの時間全然人が居なくて時折通り過ぎる自転車に乗ったババアがこっちを見ていた気がするけど関係がない。私は今眠りたいのだ。友だちに選んでもらった白いスカートに泥がついて黒くなる。風で煽られてスカートの中が丸見えになっても人が居なくてよかったどうでもいい。今日は黒パン履いてきたし、なんか臭う。昨晩誰かがこの辺りで吐いたのだろう。地面に不自然な染みが広がって私がその上に寝ている。マーキングしてくれてありがとう。この染みの範囲が私のベッド。吐いた人はきっと大学1年生で、サークル飲みに調子乗って、可愛い同期を掴まれることもできず吐きながら帰ってきたんだと思う。結果的に私tと間接的にセックスできたんだから喜んでほしい。今の私は彼の踵に歯を立てて、痛いと言って怒る彼の顔がよく見える。初々しくて可愛くて、きっと今まで陰部を擦り合わせるだけのセックスしかしたことがなかったから、私が気持ちいいセックスを教えてあげようと気合を入れて彼の目玉をくり抜いた。ちょうど電車のレールに予熱しておいた。私がやったんだよ。計算高いからね。キュルキュル音を立てて彼の目玉が焼かれていく。飽きた。私は違うことを考える。そう、例えばクリープハイプのことを。尾崎世界観じゃないたまに歌を歌う人のことを。彼は誰なのか?好きな声だな。曲も可愛いし。誰だか本当は名前だけは知ってるけど、調べもしない。顔がわからない。性格もわからない。私はそれに興味がない。あと1カ月で23歳になるのに、オタク受けしたいがために萌え声の練習をした私は、17歳の頃のオタク受けしたいがためにロリ巨乳を目指しておっぱい体操に精を出していた私と一ミリも変わっていないのではないかと恐ろしくて恐ろしくて、友だちにも言われた、ななこは変わらないよね、顔が全然変わらない。恐ろしくて恐ろしくて。なんでそんな怖いことを羨ましそうに言えるんだよ。変わらない人間とかカスじゃん。あーあー。ピンクのTシャツがふわりと風を受けた瞬間、彼女は消えたそんな映像をインターネットで見かけた。胸がドキドキしたんだ。あんな気持ちよさそうに飛べるなら、私も次に通過する特急列車で死んでしまおうか。と、思うから衝動に負けないように私はホームで横になっているんだろうがよお。その瞬間を考えると呼吸が荒くなる。それはセックス中の恍惚感と一寸も違わなくて絶頂に達する前に逃げ出した。私にはまだ早いから。