情死

Would you cry if I died Would you remember my face?

2018年2月5日

 錯乱する。昨晩、夜空に浮かぶ星、月がとてもきれいで私は嬉しくて天に手を伸ばす。その間、空気を読んで自転車はひとり動いてくれていた。きらきらしている光を見て思うことは、好きな人にも今私が見ている景色が届けばいいのにということ。彼はいつもパソコンの前にいるだろうから。ツイッターで空がきれいだと呟くと、数分後接点の無いフォロイーが同じ内容のツイートをしていた。嬉しくてRTをしようか悩んだけれど、いいねをするに留めた。出会ったことのない彼女も私と同じ空を見ていたのだと思う。彼女は虫を殺すのが好きらしい。
 お兄ちゃんから電話があった。リビングに俺のSuicaや学生証が落ちてないかと彼は言った。見当たらなかった。私が部屋を見渡して得たものは猫がホットカーペットを喜んでいることを知っただけだ。
 『アンナチュラル』を見た。主人公、三澄(石原さとみ)がバイトの久部くんに何のために働いているのか尋ねられて、「生きるため」と即答していた。みんなは何のために労働してますか?
 SoundHorizonの「青き伯爵の城」という曲がある。察しが良い方は分かるかもしれない。これは有名な童話、青ひげをベースにした作品である。この曲は青ひげと交際していた女性が歌い手として設定されている。女性は青ひげに殺された後に不思議な出来事によって青ひげを復讐する、その様を歌う。(大雑把でごめんね)
 この曲にこんな歌詞がある。
「嗚呼 女が本当に抱いて欲しいのは/肢体(からだ)ではなく魂(こころ)なのよ」
 作詞はRevoさん。サンホラ―の中では女性の心情が的確に表わされていると評価されている。もちろん、この歌詞も良いのだが本当に女性心理が表わされているのはその先の歌詞だと私は感じる。
「哀しみは 憎しみじゃ 決して癒せないわ/宵闇に唄が 響くだけ/貴方の喜劇を今 終わりにしよう!」
 というのも、これは女性から青ひげへの救済の曲になるからだ。青ひげにはつらい不幸があった。それを癒すために女を憎しみ虐待を重ねた。この歌い手の女性も虐待を受けたうちのひとりであるが、虐待の恨みから青ひげを殺害しようとするのではなく青ひげを救うために彼女は復讐劇を行った。彼を苦しみから放ちたいという気持ちが生前からあったのだと思う。青ひげが愛するのは自分ではなく過去の女性だと知りながら、この女性は青ひげを愛していたのだ。肢体を抱かれ、魂を抱かれず、それでも彼を愛した。彼女の愛は憎しみや寂しさも交じり暗い赤色をしていた。そんな感じ。この女性の心理を曲にしたことがRevoさんの感覚として素晴らしいなと思う。
 と、突然私しか分からない話を始めるなって感じですね。すいません。初めて「青き伯爵の城」を聞いたときはあまりに恐ろしくて(残虐シーンと大塚明夫さんの声が怖い)アルバムを再生させるたびにスキップしてしまっていたのですが、今はとても好き。
 あと、上記に書いたのは綺麗に受け取った場合の話であって、これ妻が不倫をしまくるから青ひげが気が狂ったって話にも読み取れるので、お好きな方で解釈どうぞって感じだ。どちらにせよ、喜劇だよなあと思う。