情死

Would you cry if I died Would you remember my face?

2014年12月16日火曜日

コーヒーを零して左の掌と手首を軽く火傷した。情けない声が口から漏れ、素早く患部を冷却し、周りに飛び散った液体を拭き取った。風の音がいつもより騒がしい夜。毛布に包まって音楽垂れ流しのPCに向かう。規則に基づいて文字を羅列させる作業。面白いことは何もなく淡々と時間が過ぎていく。キーボードを叩く指先は冷たい。火傷した箇所だけが嫌に熱を持つ。
本当は何も望みたくない。顔も素性も知らない人からのイイネなんて欲しくない。誰も私に構ってくれない。自己愛。殺す。素直に媚びることが出来たなら。荘厳、それは永遠と繋がったときに覚える。昨日習ったことを今日には全部忘れてしまう。みんな馬鹿だ。死ね。それは半年前にやった内容だ。この感情を抱くことが傲慢だと言うのなら私は日本人なので関係無いと言う。苦い過去を目蓋に映す度に叫ぶ。声が枯れたので記憶の捏造を願う。私の電子辞書は電池が切れて使い物にならない。重い紙の辞書を持ち出した。触り心地の良いそれをずっと眺めている。患部が少し痛む。誰かが私を呼ぶ声が聞こえ、ない。聞こえない。全く聞こえない。
真新しい貸本を大切に扱っていたつもりなのに表紙を折った。気にいっているシャツに染みがついた。履いていったタイツに穴が空いた。隣に座っている女の子はいつも厭らしい。前に座っている女の子は五月蠅い。私が一番醜い。殺して。文学作品に作者は不要とはどういうことなのか。死ぬか。
湯船いっぱいに文字入っていて其処に浸かると文字と文字がぶつかり合って耳触りな音が鳴る。それは何故か心地よい。という妄想をここ数日繰り返している。宇宙について触れているわけではないのにそこに宇宙を見る文章。初めての感動。意味不明なので何度も繰り返し読む。誰が読むのか、私が読むのだ。
2杯目のコーヒーは砂糖を入れ過ぎた。椎名林檎が有名な歌を歌っている。肩が凝る。夏目漱石。吾輩はだんごむし、だんごむしのだんはだんだんだん。