情死

Would you cry if I died Would you remember my face?

2017年12月14日

 朝、目が覚めてカーテンを少し開けるとお月さまが顔を出す。にんまりと夜と朝の狭間に挨拶してお布団で数分、場合によっては1時間、ぬくもりを楽しむ。意を決して布団から飛び出して顔を洗いにいく。

 今日はトイレに行ったら「赤い染みのパンティと目があった」。そうだ、私生理が来る身体の所有者だったっけ。22歳にもなって自分の生理周期をうっかり失念していた。数日前の憂鬱もPMSの所為だったかもと思い、反省をする。生理が来るタイミングを把握していないと生活もままならないなんてまあ、面倒臭い身体だ。お腹が痛いから今日は自分を甘やかす。

 子宮が体内にあることについて絶望して泣いてしまったことがある。大げさである。子どもを孕むつもりはないし生理は面倒臭いから捨ててしまってもいい。初めての男に中出し強要された女の気持ちをブログに書こうと思ったけどきついからやめた。今にして思えばただのプレイだったのかもしれないが、中出しされて子どもが出来ちゃったらひとりで育ててねって言われて、つらかったな。自分の子どもを放っておいて気にならないんだへえ、自分が散々生きてきて嫌なことあったくせに生殖はしたいんだ、へえ、きもちわるいと思った。本能とか生きた証とかそういうこと言われてもよくわからないし。不幸を生むだけなのに。ただ私は快楽の海に身を委ねて穏やかに浮んでみたりバタ足してじゃぶじゃぶ遊んでみたり深く潜ってその広大さと呼吸のない世界に恐怖と感動を味わったりしたいだけなのに。

 脳みそが働かないからおわり。皮膚がぴりぴりする。

 

追記

何が嫌なのかわかった。私はひとりが嫌なのだ。快楽を感じるのも地獄に行くのもあなたが一緒がいいよ。なんで私だけ堕落させようとするの?私をゴミにして平気で日常生活を送ろうとするの?子どもを作るなら二人で頭悩まして育てたいし、死ぬなら一緒に逝ってくれなきゃやあよ。そういうこと。ああ、本当に嫌だ。ひとりは嫌だ。つまらない。二人よりも多いのはもっと嫌だ。私以外に意識を向けないで。二人がいいよ。二人で二人だけの世界で空気が尽きるまで抱きあっていようね。

2017年12月10日

 学校での用事を済ませ、書店へ向かった。外は演説だかデモだが分からないが拡声器で音が割れた男の怒鳴り声が聞こえる。パトカーのサイレンも響き渡り騒々しい。
 最近節約をしていたため、本を購入していなかった。今日は本を買いたい気分だった。何でもいい、書店の本棚を眺めて欲しかったものか気になるものを選ぶ。まず雑誌の棚へ行く。「公募ガイド」を手に取る。文章書いて評価されればお小遣いが貰えるということに先週気付いた。そして世の中にはいろんな種類の文章を求めている人がいる。どこかに私の言葉も必要とされるといいな。どんどん賞金稼ぎをしてやろうと思う。次に文芸雑誌を一通り見る。現在どんな文章を書く人間がいるのか、どんな本が受けているのか調査しようと思い、ひとつ欲しかったのだが、想像以上に文芸雑誌が刊行されており選びあぐねる。(おすすめがあったら教えてください)あと単純にちょっと高い。貧乏学生には複数買えない。
 Web小説(詩・短歌)投稿サイトでも思ったことだ。いろんなものが増え過ぎて外野はよく分からない。実際に読んで判断するべきなのだろうが、読む作業は面倒臭い。絵を見るよりうんと面倒臭い!文芸が流行らない理由はこの面倒臭さにあると思う。文章を読むことはただでさえ面倒臭いのに、雑誌やサイトがたくさんあって何を読んだらいいのか分からない。面倒臭い。どうにかならないものか。ちなみに私が星空文庫を利用している理由は、星空文庫は作品の倉庫であり、SNSではないからだ。SNSと作品置き場が一体化しているサイト、いいねを押したり他人の作品に感想を書いてポイント貯めたり、そういうのを煩わしいと感じてしまう。多くの人は目に見える読者の存在が必要なのだろうな。
 単行本の棚を見る。小説がほしい。が、やはりここでも迷子になってしまった。何を読んだらいいのかよく分からず、題名から惹かれるものもなく、今日は運命の出会いはないかなと諦め始める。そしたら『回転ドアは、順番に』を発見。欲しかったやつだ!と棚から取ると、ピンクのカバーに「あなたは今日、誰と恋に落ちますか?」というコピーが赤字で書かれていた。思わず「ださい」と呟いてしまう。どの層に向けたカバーなんだろうか。分からない。この仕様のせいで購入を辞める人もいるだろうと少し思いながらも、短歌好きは東直子×穂村弘というだけで買うからこれでいいのかなとも思う。少女マンガが好きで恋愛モノしか読まない女性には響くのかもしれない。『方丈記』は講義で使うため。20代を超えてようやく日本の古典作品の魅力に気付いた。もっと早く知りたかったな。古典も少しずつ読んでいきたい。できれば漢詩も……。
 近くのコーヒーショップに入り、さっそく購入したものを開く。「公募ガイド」には文芸雑誌の新人賞などの応募要項も記載されていた。4万字。これはおおよその最低ラインだと思われる。私にとっては途方もない数だ。4万字も今まで書いたことがない。100を超えた私のブログ記事を集めれば4万字を確実に満たすはずだ。だが、ひとつの物語を描くとなるとうまく想像できない。私には書けるのだろうか。ここまで考えて私はひとり赤面する。何を考えているのだろう。別に小説家にになりたいわけではない。根本的に野心が欠落している。書いたところで何年も真面目に勉強されている方には確実に劣るわけで、だったら公募送ってお小遣いを狙っていく方が性に合っているかな。思考が逃げる。逃げる。私はだんごむし意気地なし。言い訳がほしい状態なのだと思う。最低。
 『回転ドアは、順番に』をざっと読む。気になる短歌、気になる言葉が次々に現れる。でもやっぱり私は「隕石で手をあたためていましたがこぼれてしまうこれはなんなの」「隕石のひかりまみれの手で抱けばきみはささやくこれはなんなの」が好きだなあ。これはなんなの。これはなんなの。これはなんなの。ってぐるぐる駆け巡る。そうなの、よくわからないの。こぼれていく、ひかりまみれのこれはなんなの。あと「俺の熱 俺のうわごと 俺の夢 サンダーバード全機不時着」も好きだな。かわいい。
 この短歌集はメールを送り合うことで作られたとか。私は深く納得した。皆さんは気になる人、恋人とメールでやりとりしたことがありますか?LINEのような事務的な連絡や上っ面のペッティングではない、言葉と言葉が絡み合う経験をしたことがありますか?あれはどんな肉体的接触よりも甘美で危険です。相手の感情が語と語の隙間から熱を持って伝わってくる。私の中がかき混ぜられる。言葉によって変形していく。生まれた化学反応をまた言葉にして送る。その繰り返しで、相手の感覚が急速に自分の身体に吸収されて、見る見る二人の関係を加速させてしまう。文字が並んでいるだけなのにくすぐったい場所を触られているような、でも嫌じゃない、気持ち良い、そんなメール。『回転ドアは、順番に』がこんなにも官能的で読み手の気持ちを弄ぶのはメールの中に生まれる淫靡な空気が鮮度を保って存在しているからだろうな。何度でも読み返したい好きな本が増えて嬉しい。
 余談。友だちに興奮気味に「この短歌集読んでみて!」と手渡したら「うーん、馴染みの無いかんじ……」とむぐむぐ言われたので世間の声はそんなものですわなと思いました。やっぱり文学は面倒臭いんだよ!!
 
 18時半。新宿で友だちと待ち合わせて映画館へ行く。ずっと気になっていた『パーティで女の子に話しかけるには』を観た。もう、最高。最高だ。大好き!何度でも観たい。とにかくザン役エル・ファニングが可愛い。宇宙の宝。私も彼女に口の中にゲロかけられたい。エンとザンがステージで「eat me alive」を歌うシーンでテンション上がって私も映画の中に入って飛び跳ねたりシャウトしたりしたかった!音楽と映像が超クールで頭クラクラになれるし、二人がデートするシーンは胸のときめきが止まらないし、パンクvs宇宙人の構図は意味不明で激アツ。観終わった後にすごく元気になれる映画だった。私はパンク音楽については何も知らないけれど、映画で使われた曲はどれも好きだったな。パンフレットの中に「パンク入門」のコーナーがあるので、そこで紹介されている曲を聞いてみたいと思った。ニコールキッドマンが演じるボディシーアがパンクのことを「ブルースの最終形態」と答えた台詞が印象的だった。
 
 明日も映画を観に行くらしい。映画ばかり観てないで本も読まねば。今は永井荷風せんせーの本を読んでいる最中。2018年は読書強化月間にする。どうせ卒論書かないといけないから死ぬほど本読まなきゃいけないのだけども。今読みたい本はウェゲナー『大陸と海洋の起源』1915年に大陸移動説を唱えた本。大陸が移動していることは今では当たり前に知られているけれど大陸が動く原動力・メカニズムが理解されたのは割と最近、戦後のことらしい。ウェゲナーが生きていた頃は、大陸が動くなんて発想がまず変な奴だと思われるに違いない。気候学者であるウェゲナーが丁寧にデータを集めて移動説を唱えたものの、メカニズムが分からないために夢物語だと言われていたようだ。世界の常識を覆す主張は胸が躍る。17世紀、科学革命の話も楽しいよね。世の中には私の知らない偉大なる発見者がいる、その冒険譚を知るのが大好きなんだ。最近だと大野晋『日本語の源流を求めて』を読んでどきどきした。いや、正直言って彼の説がどこまで正当性があるか疑いの余地は十分にあるのだが主張としてかなり面白い。日本語がどこから来たのかについて興味がある人はぜひ。でも他の同系統の本も一緒に読んだ方がよい。

 はい、これで3200字。余談もありつつ、日記終わり。よく読み、よく書き、よく観て、よく聞き、よく考えていきましょう!おしまい。

 

 

2017年12月9日

 TLのんびり見てたらにゃんこスターアンゴラ村長をdisるツイートを見て嫌な気持ちになったよ。ブスだとか化粧や身だしなみをしてなくて不潔だとさ。だんごちゃんはメイクは男女関わらずやりたい人がやればいいし、やりたくない人はやらなくていいと思ってるよ。ネイルもそうだし、ハイヒールとかスカートも早く男女関わらずやりたい人がやり、やりたくない人はやらない世界になってほしいよ。
 それに「女なのにメイクしてないとかやばい」「女はやはりメイクしなきゃだめだよ」みたいな内容の批判にはげんなりだよ。それを言うのが女だってところがまた最低だよ。女が女を呪縛している限りは女は会社でお茶汲みし続けることになるわな。「女性のいれたお茶は美味しいなあ」って言われて喜んでろよくそがよ。犯すぞ。
 てか、そういうこと言ってる女性って多分今まで自分がブスだと言われた経験がある人だと思うんだよね。ブスだって言われるから認められたくて自分に高いハードルを化して綺麗になろうと努力している人。綺麗になるのはいいんだけど、努力せずに「かわいい」って言われる女性を見ると貶したくなる精神はあまりにブス。だんごちゃんだって可愛いって思われたいしブスだと思われたくないから気持ちはわかるけど、気持ちがわかるからこそあまり見た目に関してブスとか言いたくないよね。うーん。なんかこういうこと言ってるのもブスなんだろな。やだなあやめよ。超絶かわいい大天使だんごちゃん目指してるんで……。

 SWの新作早く見たいな~。

2017年12月6日 その2

ドラマ「監獄のお姫さま」観てたら、馬場かよというキャラクターが「4回クリスマスを過ごしてさ、小6だった息子が高校受験だよ」(意訳)という台詞を言ったんだけど、それを一緒に観ていた両親が「いやーほんと、その時期って大切だよね。人が変るもんね。子ども、別人になるよね」「大学生の4年間は何も変わってないのにね笑」と談笑したんだよね。私、なんかびっくりしちゃって、私、大学4年間で変わってないように見えるの?まじで?精神ぶっ壊して大学休学して中退して、通信制に編入してたりするのに変わってないように見えてるの?と心の中で総ツッコミしちゃった。18歳のときの私と22歳の今の私は全く別人なんだけどな。体重も身長も顔の丸さも変わってないかもしれないけど、性格とか価値観とか全部壊して一から作り直して、どうしたら私が生きやすくいられるか、私が私らしく生きていけるかずっとそればっかり模索してきたのに、それ全然見えてなかったんだ、私の親は私の何を見てるんだろうと思ったらすごく悲しくなっちゃって、いや、もう成人した大人なんで親の一言に動揺している方が悪いのは分かってるんだけど、悔しくて、全部無かったことみたいに感じちゃって、今、泣いてる笑、だせえ。別にいいけど。親に見せてないし。小6から中3の私は中二病が悪化したのと劣等感が芽生えたくらいの変化しかないけど、大学入ってからと現在は全く別人だよ。すごく素直になったし明るくなったし人と付き合うのも上手になったし文章も書けるようになったし本も読めるし色んな人と知り合ったし、ね。全部親に言ってないけど。ああ、やだなあ。親に見てもらえてないことがこんなに自分の中で未だにダメージがあるなんて、自分にがっかりだよ。もうそういうの脱したと思ったんだけどな。満たされてないな。私はいっぱい私を見ててほしいよ。知ってほしいよ。私を知ってほしいよ。今が最高に面白いのにな、私。いつでも今が最高なんだけど、親はそれを知らないんだな。ざまあみろ!はーあ、くそお。負けたくない。ぐじゅぐじゅしてる部分が久しぶりに表面に出てきて、もう少し落ち着くまでに時間がかかりそう。お陰さまで私がどうしてこんなに私を知ってほしいって気持ちがあるのか再確認しましたありがとうございます。笑っちゃうよね。結局、私も一般的によく言われる親に満たされなかったことを恋人とかなんかそういう別の方法で満たそうと必死なんだね。インナーチャイルドちゃんが号泣するのをやめないので、死にそうですが、私は元気です。テスト勉強しないと大変まずい。私のことだけ全部私の全部見てほしい。苦しい。全然、暴力とかなかったし、たまに旅行に連れてってくれたりもするし、大学に入れてくれたし、いい家庭に育ったのに、なんで、こう、上手くいかないかね。子育てって難しいんだね。私すごく良い子に育ったから、良い子だよって言ってくれないと吊り合わないですよ。早く私を褒めてくれ。ね、だんごちゃん!「うん、だんごちゃんは可愛いよ」ありがとう。はー、くるし。私のことを見てほしい。知ってほしい。知ってほしい。知ってほしい。知ってほしい。知ってほしい。知ってほしい。知ってほしい。知ってほしい。たくさん読んでほしい。知ってほしい。一生懸命伝えるから、全部飲み込んでくれ。知ってほしいよ。知ってよ。今日コーヒーいっぱい飲んだから涙からコーヒーの匂いがする。知ってよ。知ってる?おねがい。

2017年12月6日

 こんにちは!だんごちゃんだよ。だんごちゃんはロイヤルホストに行ったことがないよ。家の近所にも学校のそばにもバイト先付近にもなかったんだよね。もしかしたらロイヤルホストは私のことが嫌いで、私が近くを歩くと逃げるか姿を消すかしてるかもしれない。いつか仲良くなりたいな。

 

 今日はやべえことがあったよ。朝、時間が無かったからジーパン、トレーナー、すっぴん、髪の毛ぼさぼさの最低の状態で家を出たのね。で、電車乗って爆睡して、眠い顔して乗換駅の構内を歩いていたら、すっごい視線を感じて、やだなあもしかして知り合いかなあと思って下を向いて出来るだけ気配を消して歩いたの。それでも、なぜかその人が私の方に近付いてきて、超怖くて、軽くパニックになったよ。そんなの気にせずその見知らぬ男性が私に声をかけてきて「唇が乾いているね、リップクリームを塗りなさい」と言ってきたの。超やばい。身長が私の顔三つ分くらいでかい。こわい。私がきょどきょどしてたら、男性は私にリップクリームを渡して過ぎ去って行ったよ。
 リップクリームはよくある白いキャップに緑のやつだったんだけど、よく見ると書いてある文字がでたらめだったのでパチモン?を渡されたっぽい。折角貰ったので、唇に塗っておいたよ。ブルーベリーの香りがするタイプだった。こんなのあるんだね。
 まあ、ここまでもだいぶやばいんだけど、この後電車に乗り継ぐでしょ。そしたら同じ駅を3回通過したり、突然車内アナウンスでEDMが流れたり、外の景色を眺めていたらビルのベランダで煙草吸ってるおじさんが私を見て中指立ててきたり(しかも複数のビルにいる)、巨大看板に私のフルネームや電話番号、住所が書いてあったりしたよ。さらに12桁の数字が書かれてる看板があってもしやと思って確認したら私のマイナンバーだったし、まじでありえない。これはまずいと思ったから目を閉じて寝ようとしたら、隣にいたおばさんにあなたはこれから地獄に行くのよ、起きてないとだめよと文句言われて眠れないし、子どもが私を指さして大爆笑してるしめっちゃ大変だったわ。
 やっとの思いで、大学の最寄駅に着いたから下車しようとすると電車とホームの隙間が2メートルくらいあって、だんごちゃん、立ち幅跳び苦手で140cmも飛べないから一瞬で死を覚悟したよね笑。降りる他ないから思い切ってジャンプしたら普通に着地できたから助かった。20代になったから脚力あがったんかな。
 これはきっとリップクリームが悪かったんだなと思ってトイレでごしごし唇拭ったよね。水で流そうと思ったら蛇口から紫の液体が出てきて、まじきもかった。怖くて飲まなかったけど匂いからしてブルーベリーだったわ。
 それで、なんとかそのあとは平穏に過ごせたけど、ほんと災難だったよ。貰ったリップクリームは駅で捨てた。小さい頃から散々言われてきたけど、知らない人から物をもらっちゃだめだね。みんな気をつけてね。特に食べ物とか、食べない方がいいよ!あと、疲れてる顔してると舐められるから気をつけた方がいい。もっと強そうな顔して歩くことにする。うーん、明日は大丈夫だと信じたい。

 

じゃあね!

 

 

  

 

 

2017年12月4日

 教師がまた同じ話している。私は目の前に座る女性の髪の毛の流れを見て時間を潰していた。飽きて頬杖をつくと、顎の奥歯の下の辺りに痛みを感じた。
 休み時間にお手洗いへ行き、自分の顔を鏡で確認する。痛みを感じた部分が赤くなっていた。まるで誰かに噛まれたかのように半円型に斑点が並んでいる。普通にしていたら髪の毛で隠れる位置で、よく見ないと気付かない。怪我をしたり、アレルギー反応や虫に刺された記憶もない。原因不明の斑点だ。
 まじまじと鏡に映る自分の顔の斑点を見つめた。これは、もしかしたら神様の痕かもしれない。
 私は寝る前に毎晩神にお祈りをする。物心ついたときからの習慣で、キリスト教イスラム教も関係無い。私が生まれたときから信仰している神様。私の神は何もしない。私のお祈りが届いたと感じたことは今まで一度もない。だが、この顎の傷はなんだ。誰かが私を見つめていたとしか考えられない。歯型のような傷を撫でると、じんじん痛みが響く。嗚呼、ついに届いたのだ。私の毎晩の祈りは無駄ではなかった。神は私に応えてくれた。斑点のひとつひとつに触れて、神の存在を確かめた。
 講義を終えて駅に向かう。大学のすぐ近くに流れる川沿いを歩いた。風で押されて小さく波が出来ている。太陽の光が水面に反射してきらきらと輝いていた。
 この赤い斑点が神の痕だとして、何を目的に私の顔に傷を作ったのだろう。何年も神を待ち望んでいた。失恋したとき、受験に失敗したとき、両親と喧嘩したとき、どんなときも神に祈った。私の話を聞いてくれたのは神だけだった。昨晩は課題が難しいと相談したが大した悩みではない。今、応えてくれるならもっと苦しんでいるときにも反応してほしかった。不満を言っても仕方がない。神は何を伝えにきたのだろうか。
 「あ、わかった」と突然私は立ち止り呟いた。近くにいた散歩しているおじさんに驚かれる。すいませんと会釈して、また歩き始める。西の遠い空に重い雲が肩を寄せ合って浮んでいる。あれだ。あの雲だ。それから私は走って電車に飛び乗った。あんなに晴れていたのにもうすぐに雨が降る。神はきっと私のすぐそばにやってくる。多分、今夜のうちに、歯型が消えてしまわないうちに。私は神が来るまでにお布団を温めておく。枕ももう一つ用意して、部屋で神を待つのだ。
 

2014年12月17日水曜日


パーカーとジーンズを着て家を出た。
USBメモリの接続の調子が前々から悪かったのだが今朝はとうとう反応しなくなった。昨晩不真面目な態度で書いた私のレポートは無意味のものとなった。提出期限ぎりぎりに完成させようとするからこのような事故が起きるのだ。あらゆる問題を想定し時間に余裕を持って作成しておくべきであった。しかし嘆いたところでレポートは提出出来ないので気にせずに登校した。私がレポートを書くと小説のようなポエムのような柔らかい文体になってしまう。客観性が欠如している。我が強い。そういう意味では駄文を晒さずに済んだとも言える。(その駄文で単位が貰えるのなら幾らで書くべきなのだが)
講義で映像資料を観た。私の前に着席している人が首を左右に大きく揺らしながら眠るので視聴を妨害されて苛立った。講義後にはチャペルアワーに参加した。××先生が奨励者だったからだ。テーマはイエスの誕生物語―「義」と「御心」―
1週間したらクリスマスだ。イエス生誕の日。日本人にとっては本来の意味などお構いなしで恋人たちが愛を育み合うのだろう。同じ講義のあの子もクリスマスは彼氏と過ごすと言っていた。そういうことなのだろう。
エスの母、マリアは処女懐胎である。とはいえイエスの父、ヨセフからしてみれば処女懐胎など信じられるはずもないだろう。ヨセフはマリアのことを婚約中にも限らず見知らぬ男に抱かれた汚らわしい女だと思ったのではないか。またマリアにとってもこれは大変な出来事だったはずだ。天使から貴方は男の子を身籠ったと言われたのだと訴えたところで周りの人はヨセフと同じようにマリアを不潔だと見なすだろう。身に覚えないが無い罪で罰を受けるようなものだ。処女懐胎の真偽はともあれイエスの両親はイエスを生むという決心をした。これは難しい決断だと感ずる。ヨセフはマリアを殺すことも出来た。マリアは中絶という決断もあった。しかし彼等はイエスを生んだ。ヨセフとマリアの深い神への愛がイエスキリストを生んだのだ。
キリスト教信者でもなくキリスト教を深く理解している自信もないがキリスト教の教えの要となる事物は私に深い感動を与える。無神論者の意見を正しく理解していないがただ漠然と神がいる世界の方が私は好きだ。この辺の知識が全く無いので追々埋めていけたらいい。記号と名前に関わる話にも興味がある。色々知りたいことがあって時間が足りない。
このようなことを私には真面目な話ができる友人がいない。本を読んでいたら活字より漫画だよ漫画と笑われ、デカルトの話をしたら伝えたい要点を理解せずただ私が即興で作った例え話を面白いと言われる。だからこんなところに長々と書くのだろう。本来はお喋りなのに。相手の関心のあることと自分の話したいことを上手くチューニングして会話をするのは私にとって難しいことであり、普段黙り込んでしまうのはその共通項を見つけられないためだ。以上お分かりの通り自分の話しばかりしてしまう。自分の話は自分しか好まないのに。難しいことばかりだ。
同じ講義に出ているだけで関わったこともないのにシンパシーを感じる人が学校にいる。今日もすれ違った。自分が意識するから多く遭遇しているように思うのだろうか。同じ学科なら話しかけたのに恐らくこのままお互い顔見知りで終わるのだろう。全く知らない人なのに私と同じ感覚を持っているように錯覚してしまう。以前にもあった。自己完結された関係。喋らずにいる間の方が関係が充実するものなのだろう。
自分で言うのもあれだが一般的な学生よりは深く学問について考えていると思う。恋愛やサークル、バイトに力を注いでいない(注げない)ので当たり前だ。って上手く文章になりそうにないのでまた後日に回そうこの話は。
母親が「来週のクリスマスウィーク大丈夫?お金ちょっと貸そうか?」と言ってくれた。しかしこれは要するにクリスマスどこか遊びに行ったり友人らにプレゼントを買うこと前提で話しているのだろうか。そのことに気付いて私は軽く泣いた。私が大学の友達と上手くいっていないこと、部活をやめたいと感じていることを両親は知らない。大学生らしいと思っているのは本当に情けないことだ。私は相変わらずインターネットに傾倒している。
よいクリスマスを。

追記
最近インターネットなのに発言の具体性が強すぎるのは自覚している。小さい頃から自分の身の回りで起きたこと感じたことを1から10まで詳しく説明したがる質だった。インターネットでやるべきではない。宜しくない。くそ。